サブビジネス研究所

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副業の初案件が取れない——提案文を書き直して受注率が変わった話

ノートパソコンのキーボードに手を置いて作業する人の手元

副業を始めて最初のひと月、私はクラウドワークスで提案を送っては落ち、また送っては落ちを繰り返していた。当時の記録を見返すと、初めて受注できたのは21件目の提案だった。今になって振り返れば当たり前で、あのころ私が送っていた文章には、発注者がわざわざ最後まで読む理由がひとつもなかったのだと思う。

パソコンの画面を見ながら頬杖をついて考え込む人

最初の20件で、私が書いていたこと

恥ずかしいので正直に書くと、完全なテンプレートだった。「はじめまして。〇〇と申します。このたびは募集を拝見しご連絡いたしました。責任を持って対応いたしますので、ぜひご検討ください」——名前と案件名だけ差し替えて、あとは全部同じ文面。丁寧ではあるのだけれど、書いてあるのは意気込みだけで、発注者が本当に知りたいことが一行も入っていない。しかも当時は「実績がゼロだから通らないんだ」と思い込んでいたので、文章そのものを疑いもしなかった。

転機になったのは、たまたま自分が発注側に回ったときだった。ちょっとした作業を一件お願いしようと募集を出したら、二日で40件ほど提案が届いた。全部を丁寧に読むなんて物理的に無理で、実際には冒頭の二〜三行だけ見て、大半をその場で閉じていた。自分がやられて嫌だったことを、私も完璧にやっていたわけだ。

効いたのは実績の数より、読み手の手間を減らすこと

発注側を経験して分かったのは、選考の基準がそこまで高尚じゃないということだった。募集文をちゃんと読んでいるか、納期の感覚が合いそうか、途中で連絡が途絶えなさそうか。見ていたのはほぼこの三つで、実績数は判断に迷ったときの最後の一押しくらいの位置づけだった。

提案文の場所直す前に書いていたこといま書いていること
冒頭はじめまして。〇〇と申します募集にある「週2回・1本1,500字」に対応できます
中盤責任を持って対応いたします前職で同ジャンルの記事を月8本、締切遅延なしで担当
終盤ご検討よろしくお願いします火・金の午前に納品可能です。サンプルを2本添付しました

表にしてしまうと単純だが、要は「あなたの募集を読みました」という証拠を冒頭に置いただけの話。それでも返信率は体感ではっきり変わって、その後は10件出せば2〜3件は面談か即依頼につながるようになった。もちろん案件のジャンルや競合の数でまったく違ってくるので、これはあくまで私の場合の数字として読んでほしい。

開いたノートと万年筆、マグカップが置かれた机の上

いま送っている提案文の組み立て方

今は四つのブロックで書いている。①募集文の条件をそのまま引用して「できます」と答える、②その根拠になる具体的な経験を数字つきでひとつだけ、③稼働できる曜日と時間帯、④質問をひとつ。とくに④が効く。「参考にされている既存記事はありますか?」くらいの短い質問を入れておくと、相手に返信するきっかけができる。逆にやめたのは、長い自己紹介と、こちらから値引きを申し出ること。安さで取ってしまうと、あとから単価を上げるのが本当に難しくなる(このあたりはクラウドワークスの単価交渉をいつ切り出すかの記事に詳しく書いた)。

提案文を直しても通らないときに疑うところ

文面を整えても反応がないなら、たいていは応募先の選び方の問題だと思っている。募集開始から日数が経った案件はすでに候補が絞られていることが多いし、応募数が100件を超えているものは正直、宝くじに近い。私は「投稿から24時間以内・応募20件未満」をだいたいの目安にしていて、それだけでも通過率がずいぶん変わった。あとは単純に、自分が書けるジャンルとズレた案件に出し続けていないかどうか。ここは一度立ち止まって棚卸ししてみる価値がある。

提案文は一度型を作ってしまえば、案件ごとの調整は10分もかからない。最初の一件さえ取れれば、そこから継続依頼につながることも珍しくない。まだ一件も取れていないなら、実績を積み増そうと焦る前に、いま送っている文章を一度声に出して読んでみてほしい。自分が発注者だったら最後まで読むかどうか、それでだいたい分かってしまう。なお、これから副業そのものを始める段階の人は副業の始め方をまとめた記事から、収入が出てきて申告まわりが気になり始めた人は20万円ルールと住民税の記事のほうが役に立つはず。税金の扱いは個々の状況で変わるので、最終的には国税庁のサイトや税務署、税理士に確認してほしい。