本業の決算対応で、ここ3週間はほぼ毎日22時まで会社にいた。抱えていた副業の案件は3件、しかもどれも月末納期。さすがに無理だと分かっていたのに、クライアントへのメッセージには「減らします」ではなく「今月いっぱい全部止めます」と書いて送ってしまった。既存の案件を丸ごと止めるなんて、二度と依頼は来ないだろうと本気で覚悟していた。ところが1週間後、いちばん付き合いの長いクライアントから届いたのは「落ち着いたらまたお願いできますか」という一文だった。
止めると決めた夜のこと
正直に言うと、あの夜はほとんど勢いだった。本業のタスクが片付かないまま副業のチャットを開いて、返信の文章を考える気力がもう残っていなかった。ただ、頭のどこかで「中途半端に減らして納期を落とすより、いったん止めて信用を守るほうがいい」という判断はあった気がする。クラウドワークスとランサーズを併用してきた1年間で、締切をギリギリで守った案件よりも、早めに相談した案件のほうが次の依頼につながっている実感が私にはあった。

実際に送った文面と、意識した3つのこと
送った文章はシンプルだった。「本業の決算対応が重なり、8月中は新しい作業をお受けできません。9月第1週から再開できる見込みです。ご迷惑をおかけしますが、他の方に依頼される場合は遠慮なくお伝えください」。意識したのは3点だけ。理由を曖昧にしないこと、再開の目安を数字で示すこと、そして相手が他のワーカーに切り替える自由を先に手放しておくこと。この最後の一言が、思っていた以上に効いた気がする。
1週間後に届いた返信、その後の変化
返信が来たのは想定より早かった。3件のうち2件は「了解しました、9月にまたお願いします」、残る1件は「今回は他の方に依頼しますが、また機会があれば」という内容で、思っていたほど関係が壊れなかった。むしろ、以前に納期直前で相談した案件よりも印象が良かったように見える。以前、副業の紹介案件がゼロだった時期に感じていたのは、単価より先に「この人に頼んで大丈夫か」という信頼が見られているということだった。あの時期を抜けてから、無理をしない姿勢のほうが結果的に長く続く関係を作ると考えるようになった。

3件の反応を整理すると、付き合いの長さと反応の速さには、はっきりした関係が見えた。
| クライアント | 返信までの日数 | その後の状態 |
|---|---|---|
| A社(付き合い1年以上) | 3日 | 9月から再開が決定 |
| B社(付き合い半年) | 5日 | 9月から再開予定 |
| C社(付き合い3ヶ月) | 1日 | 他のワーカーに切り替え |
単価交渉で学んだこととの共通点
これは単価交渉のときにも似た感覚があった。以前、クラウドワークスで単価を1.2円から2.8円に上げてもらえた案件でも、値上げそのものより「無理な条件は受けない」という姿勢を先に見せたことのほうが効いていた。今回止めた3件のうち、いちばん早く「また来月」と言ってくれたのは、まさにその時単価交渉をしたクライアントだった。偶然かもしれないが、私はそうは思っていない。
よくある疑問に答えておく
Q. 継続案件を丸ごと止めたら、本当に切られませんか?
切られないとは言い切れない。実際、3件のうち1件は他の人に切り替わった。ただ、理由と再開時期を先に伝えておけば、少なくとも「連絡もなく飛んだ人」にはならずに済む。
Q. 本業の繁忙期はどのタイミングで伝えるべきですか?
私の場合は、繁忙期に入る前ではなく、無理だと確信した時点ですぐ伝えた。ギリギリまで抱え込んで納期を落とすほうが、信用への影響は大きいと感じている。
本業と副業の両立は、器用にこなすことよりも、無理な時に無理だと言えるかどうかで長続きするのかもしれない。次に繁忙期が来たときも、たぶん私は同じ判断をすると思う。
