毎朝5時に起きて副業をする、と決めたのは今年の6月だった。三日で心が折れた、なんてかっこよく言えるほどのものでもない。四日目の朝は普通に寝坊した。それでも今、副業の作業時間は6月の頃より確実に増えている。種明かしをすると、早起きをやめたことがきっかけだった。
朝型に憧れていたのには理由がある。ネットで見かける副業の成功談は、判で押したように「早起きして出社前の2時間で作業」だったからだ。自分もそれができれば〈と思って目覚まし時計を4時50分にセットした。結果は散々だった。起きられた日でも頭が回らず、同じ文章を3回書き直して結局ボツにした朝もある。1週間のうち起きられたのは2日だけ、しかもその2日の作業効率も普段の6割程度だった。
転機になったのはGoogleカレンダーに「作業した時間」をただ記録し始めたことだ。予定ではなく実績を、開始した瞬間と終わった瞬間だけ手動で入力する。地味な作業だが、2週間続けて集計してみたら、平日の平均作業時間はたった47分しかなかった。しかもその47分は、通勤電車の中と昼休みの残り15分、夜の断片的な時間をかき集めた数字だった。朝型を目指していた頃より、むしろ細切れ時間のほうが多く働けていたことになる。

朝型と隙間時間型、どちらが自分に合うか
この経験から、朝型と隙間時間型を単純な表にしてみた。あくまで自分の記録がベースなので万人に当てはまるわけではないが、同じように朝活で挫折した人には参考になると思う。
| 朝型(5時起き) | 隙間時間型 | |
| 継続できた日数 | 7日中2日 | 14日中13日 |
| 1日の平均作業時間 | 52分(成功日のみ) | 47分(平日平均) |
| 体感の集中度 | 低い(寝不足) | 高い(短時間集中) |
| 向いている人 | もともと朝型体質の人 | 通勤・昼休みが確保できる人 |
数字だけ見ると隙間時間型の圧勝だが、正直に言うと最初は「こんな細切れ作業で成果が出るのか」と半信半疑だった。クライアントを3社掛け持ちしていた時期は、まとまった時間を確保できないことがむしろ弱点だと思い込んでいたからだ。
15分単位で回すようになって変わったこと
今は作業を15分単位のタスクに分解するようにしている。たとえば「クライアントへの提案文を書く」なら、①案件を読んで要点をメモする②骨子を箇条書きにする③清書する、という具合に3分割する。通勤電車の15分では①と②まで進め、昼休みの残り時間で③を仕上げる。まとまった時間がなくても、パーツごとに完成させれば1日の終わりには1本の提案文が仕上がっている。単価交渉の際に送った文章も、実はほとんどがこの隙間時間の積み重ねで書いたものだった。
作業を分解する上で地味に効いたのが、タスクを「動詞+対象」で書き出すことだ。「資料作成」ではなく「見積書のB社分だけ数字を入れる」まで具体化する。抽象的なタスクは着手のハードルが高く、15分では終わらせられない。逆に言えば、15分で終わる粒度までタスクを砕けているかどうかが、隙間時間を活かせるかの分かれ目だった。
朝型をやめて見えてきた、時間よりも大事なもの
正直、朝型をやめた今でも「本当はまとまった時間があったほうがいいに決まっている」とは思う。ただ、6月から2ヶ月間の記録を振り返ると、作業時間の絶対量よりも「継続できたかどうか」のほうが収入に直結していた。継続日数が多かった隙間時間型の期間は、対応できる案件数も増え、結果的に単価より伸びしろで選んだスキルを実践する機会も増えた。時間の質より先に、まず途切れないことを優先してよかったと思っている。
次に試してみたいのは、隙間時間の記録をさらに細かく取って、曜日ごとの集中度の波を可視化することだ。月曜の夜と木曜の夜では明らかに書ける文章の質が違う気がしていて、そこにも何かヒントがある気がしている。
