通知に気づいたのは、駅の改札を出た直後だった。スマホを開くと、クラウドワークスの評価欄に★3が並んでいる。それまで受けた案件はすべて★5だったから、最初は表示のバグかと思った。バグではなかった。

納品したのは、文字単価1.2円、3000字ほどのコラム記事だった。クライアントからの評価にはコメント欄に「内容は問題ないが、連絡がやや少なく感じた」と一行だけ書かれていた。正直、心当たりがまったくないわけではなかった。納期の3日前に一度だけ進捗報告のメッセージを送り、あとは黙って書き続けていた。悪気はなかったが、相手からすれば「本当に進んでいるのか」が見えなかったのだと思う。
星3の評価が突きつけたもの
クラウドワークスの評価は、案件を受注する際にクライアントが必ず目を通す数字だ。★5が並んでいたプロフィールに★3が一つ混ざるだけで、平均評価は目に見えて下がる。実際、評価が付いた翌週は新規の提案に対する返信率が体感で落ちた。以前、応募文を書き直した時の話でも触れたが、提案文と評価はセットで見られている感覚がある。ちなみに評価には非公開のコメント欄もあり、そちらに本音に近いことが書かれている場合がある。あとから見返して初めて気づくことも多い。因果関係を証明できるわけではないが、ゼロではないはずだ。
何を変えたか——連絡の頻度と中身
落ち込んでいても仕方がないので、まずクライアントに「至らない点があれば教えてください」と短いメッセージを送った。返ってきたのは「特に不満はないが、進捗が見えないと不安になる」という率直な言葉だった。それ以降、納期が1週間以上ある案件では、着手時・中間・納品前日の最低3回、進捗を一言で報告するようにした。実際に送っているのはこんな短い文面だ。「本日、構成案の作成が完了しました。明日から執筆に入ります」。これだけで十分だった。単価交渉に踏み切った経緯を書いた時も感じたことだが、クライアントとのやり取りは、金額の話以上に些細な安心感の積み重ねなのだと思う。

| 項目 | 進捗報告なし | 進捗報告あり(3回) |
|---|---|---|
| 平均評価の体感 | ★4.2前後 | ★4.8前後 |
| リピート依頼率の体感 | 約2割 | 約5割 |
| 納品前の心理的負担 | 直前に急に不安になる | 早い段階で解消できる |
評価を上げるより「下げない」ことを意識する
3ヶ月後、進捗報告を習慣にした案件では★5評価が9割を超えるようになった。ただこれは、評価を上げるテクニックというより、評価を下げないための最低限の仕組みだったと今は思う。ライティングやデータ入力のように成果物だけで判断されがちな仕事ほど、実は途中経過の見え方が評価を左右する。初めての案件を続けた理由を振り返っても、駆け出しの頃は単価の低さばかり気にしていて、こうした連絡の細かさにはまったく意識が向いていなかった。
低評価は消えないが、次にどう活かすかは選べる
★3の評価は今もプロフィールに残っている。消すことはできないし、消してもらうよう頼むのも筋が違う気がしている。でも、あの評価がなければ、進捗報告を仕組み化することもなかった。もらった直後は正直、心が折れかけたけれど、半年経った今は「あの案件のおかげで今の受注ペースがある」と言えるくらいにはなっている。ここで書いた数字は私個人の体感によるもので、ジャンルやクライアントによって事情はかなり変わってくると思う。もし同じような評価で落ち込んでいる人がいたら、まずは連絡の頻度から見直してみてほしい。星の数よりも、その裏にある一言のコメントの方が、実はずっと具体的なヒントになっている。
