サブビジネス研究所

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クラウドワークスで「AIで書けるでしょ」と単価を下げられかけた話

スマートフォンにメッセージ通知が届いている様子

正直に言うと、あの一文を読んだ瞬間、私は反論より先にうなずきかけた。「最近はAIで下書きできますよね?その分、単価を下げてもらえませんか」。クラウドワークスの契約メッセージに届いたその一行に、心のどこかで「まあ、確かに」と思ってしまった自分がいた。

相手は3ヶ月前から継続でお願いしている企業のクライアントで、1文字1.5円、月4本、3000字前後のコラムを納品してきた仲だった。金額にすると1本4500円、月18000円。副業の収入としては大きくないけれど、毎月安定して来る仕事として大事にしていた枠だった。

一瞬うなずきかけた理由

実際、私も下書き段階でAIを使うようになっていた。構成案を出してもらったり、言い回しの候補をいくつか並べてもらったりする作業は、もうすっかり習慣になっている。だから「AIで書けるでしょ」という指摘は、半分は当たっていた。だからこそ、すぐに強く言い返せなかった。もし本当に「AIに丸投げでできる仕事」なら、単価が下がるのは当然じゃないかとさえ思った。

けれど、その晩は結局返信せずに寝た。翌朝もう一度メッセージを読み返して、ようやく違和感の正体に気づいた。AIが出してくれるのは、あくまで下書きの叩き台でしかない。クライアントの業界特有の言い回しや、過去の記事との整合性、事実確認、そして「この会社らしい文章になっているか」の最終チェックは、結局すべて私がやっている。AIに置き換わったのは執筆時間の一部であって、仕事の価値の中心ではなかった。

実際に送った返信の文面

翌朝、私はこう返信した。「構成の下書きにAIを使う場面はありますが、事実確認と貴社のトーンへの調整、納期管理は引き続き私が担当しています。単価は維持させていただきたいのですが、その代わり毎月のコラムに加えて、SEOを意識したタイトル案を2パターンお付けする形でいかがでしょうか」。値下げそのものは断り、代わりに付加価値を足す形で提案した。

返信が来たのは翌日の夕方だった。結論から言うと、単価は据え置きのまま、タイトル案の追加提案も採用された。断られる可能性も覚悟していたし、この案件を失っても仕方がないという気持ちもどこかにあった。それでもあの一晩、感情的に「AIなんかに負けません」と返信しなかったのは、今振り返ってもよかったと思っている。以前クラウドワークスで単価交渉、1.2円が2.8円になった実話を書いたときも感じたことだが、単価の話は感情ではなく提示の仕方ひとつで結果が変わることが多い。

AIを理由にした値下げ打診、3つの返信パターン

今回の件を振り返って、返信のしかたを自分なりに3つに整理してみた。

パターン内容リスク
①即座に応じる単価をそのまま下げて受け入れる一度下げると元に戻すのが難しい
②感情的に反論する「AIじゃ書けません」と否定する実態と違うと信頼を損ないやすい
③付加価値で交渉する単価維持+追加サービスを提案する手間は増えるが関係を保ちやすい

私が選んだのは③のパターンだったが、正解が一つとは限らない。案件の内容や関係性によっては、①で受けたほうが長期的に得なケースもあるはずだ。ただ、②のように感情で否定するだけの返信は、少なくとも私の経験では一番後味が悪かった。

よくある質問

Q. AIを使っていることをクライアントに伝えるべき?
隠す必要はないが、自分から言う義務もないというのが今の私の考え方だ。聞かれたら正直に、どこまで使ってどこは自分でやっているかを具体的に説明できるようにしておくと、今回のように信頼を保ったまま話ができる。

Q. 値下げ打診は必ず断るべき?
そうとも言い切れない。案件数が少ない時期や、実績作りを優先したい段階なら、一時的に受け入れる判断もあり得る。大事なのは、下げた単価を「いつ、どう戻すか」まで考えてから返事をすることだと思う。

単価の交渉も、案件の見極めも、結局は最初のやり取りの文面ひとつで印象が変わる。クラウドワークスの応募文を書き直したら、返信率が体感で倍になった話でも書いたが、言葉の選び方ひとつで受け取られ方は大きく変わる。逆に、そもそも安すぎたり条件が曖昧な案件を避ける目も、副業の悪い案件はこう見抜く——三年でわかった募集文の見方で書いたような基準と合わせて持っておきたい。AIが当たり前になったこれからも、単価を決めるのは結局AIではなく、自分自身の説明力なんだと思う。

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