最初に選んだ副業は、時給に直すと900円もいかなかった。三つ目でようやく5,400円を超えた。同じ「文章を書く」というくくりの中で、なぜここまで差が出たのか——正直、始める前は全く想像していなかった。
最初に選んだのは「誰でもできる」スキルだった
副業を始めた頃、最初に手を出したのはクラウドワークスのデータ入力案件だった。「特別なスキルがいらない」という説明文に惹かれて登録したのを覚えている。実際にやってみると、1件300円の案件をこなすのに40分近くかかり、時給に直すと450円ほど。近所のコンビニのアルバイトの方がまだ条件が良かった。
続けても、月に稼げるのはせいぜい5,000円前後だった。最初の一歩でつまずくこと自体は珍しくないようで、以前「副業デビューの初仕事は時給237円だった、それでも続けた理由」でも近い経験を書いたことがある。ただ今回の話の核心は、その先の「次にどのスキルを選ぶか」で明暗が分かれたという点にある。

二つ目で気づいた、「単価は経験より“需要の希少性”で決まる」
二つ目に選んだのは、クラウドワークスとランサーズ両方に登録しての量産型ライティングだった。文字単価0.8円の案件を中心に受けて、月20時間ほど稼働すると時給は1,200円前後まで上がった。ここで初めて、単価は作業のしんどさでは決まらないという感覚をつかんだ。実際、「クラウドワークスとランサーズ、両方使って1年で受注比率が9対1になった話」で書いた通り、同じ「ライティング」でもプラットフォームによって案件の質は驚くほど違う。
三つ目でようやく時給5,400円に届いた理由
三つ目に選んだのが、不動産や医療系など専門知識が必要な分野に絞ったSEOライティングだった。単価は1文字4円から6円、月10本ほど受注できるようになり、稼働時間を記録してみると時給は5,400円ほどになっていた。差を生んだのは経験年数ではなく、その分野を書ける人がクラウドワークス内にどれだけ少ないかだった。単価交渉についても、「クラウドワークスで単価交渉、1.2円が2.8円になった実話」で書いたように、需要が集中しているジャンルほど交渉の余地は大きくなる。
専門分野に踏み出すきっかけは、実は偶然だった。当時担当していた不動産会社のクライアントから「宅建の勉強をしていたなら、うちのコラムも書けますか」と聞かれたのがすべての始まりだった。宅建の資格自体は仕事に使っていなかったし、正直「書けます」と即答する自信もなかった。それでも一本書いて納品したところ、次の月には文字単価が1.5倍になった。専門性というのは、こちらが思っているより先に相手が価値に気づいてくれるものらしい。
時給の推移を比べてみる
| スキル | 平均時給 | 主なプラットフォーム | 時期 |
|---|---|---|---|
| データ入力 | 約450円 | クラウドワークス | 1ヶ月目 |
| 量産型ライティング(文字単価0.8円) | 約1,200円 | クラウドワークス/ランサーズ | 2〜4ヶ月目 |
| 専門分野SEOライティング(文字単価4〜6円) | 約5,400円 | クラウドワークス | 5ヶ月目〜 |
これから副業のスキルを選ぶ人へ
これから副業のスキルを選ぶ人に伝えたいのは、「向き不向き」より先に「その分野に書ける人がどれだけいるか」を見てほしいということだ。データ入力が悪いわけではない。ただ、誰でもできる作業は単価も誰でも払える金額に落ち着きやすい。私の場合はたまたま専門分野のライティングに行き着いたが、人によっては写真、経理、翻訳など別のジャンルで同じことが起きるはずだ。時給は、あくまで私自身の記録から出した数字であることは付け加えておきたい。
もちろん、専門分野なら何でも高単価になるわけではない。需要そのものが小さいジャンルを選べば、いくら詳しくても案件自体が見つからないこともある。私の場合はたまたま不動産というニーズの大きい分野に足がかりがあっただけで、これが唯一の正解だとは思っていない。ただ、時給を記録してから振り返ると、遠回りした最初の数ヶ月も無駄ではなかったと感じている。どのスキルが自分に向いているかは、実際に手を動かしてみるまで分からないことの方が多いからだ。
よくある質問
Q. 今から副業を始めるなら、最初から専門分野を狙うべき?
A. 私の実感では、最初の1〜2ヶ月は「誰でもできる案件」で構わないと思っている。稼働時間の感覚や納期の守り方など、専門性以前に身につけておくべき基礎があるからだ。ただし、そこに3ヶ月以上とどまり続けるのは避けたい。今の自分の知識や経験の中に、他の人が書けない分野が眠っていないか、一度棚卸ししてみる価値はある。
