正直に書く。本業の決算期に入った月、私は「副業も止めずに頑張れる人が偉い」と本気で思っていた。その思い込みのせいで、いちばん大事な継続案件を一本失いかけた。
あれは本業の月末処理が重なった週だった。帰宅は連日22時を過ぎ、副業の納期は金曜の朝。寝る前の30分で書けばいい、と自分に言い聞かせていたが、実際に画面の前に座ると文章がまったく進まない。結局、納期当日の朝6時に「すみません、明日まで延ばせませんか」と送ることになった。

クライアントが怒ったのは「遅れ」ではなかった
返ってきたのは意外にも穏やかな文面で、「遅れること自体は構いません。ただ、前日までに一言もらえたら調整できました」とあった。つまり問題は遅延ではなく、私が直前まで黙っていたことだった。
あとから考えると、私は「言えば評価が下がる」と怖がっていただけだ。でも発注側から見れば、早めの連絡は誠実さに見える。逆に、沈黙は一番困る。ここは身に染みた。
それ以来やっている、繁忙期の3段階ルール
以来、本業の忙しさに合わせて副業の動かし方を先に決めておくことにした。細かいけれど、この事前の取り決めが効く。
| 本業の状態 | 副業の動かし方 | クライアントへの連絡 |
|---|---|---|
| 通常期 | 週に10時間前後を目安に通常運転 | 納期の前日に進捗を一言 |
| やや忙しい | 新規の応募は止め、継続案件のみ | 繁忙の予定を2週間前に共有 |
| 繁忙期 | 納期を長めに取り直し、最小限だけ対応 | 始まる前に「この期間は遅くなる」と伝える |
数字は人それぞれで、上の10時間というのも私の場合の目安にすぎない。大切なのは、自分の体力の限界を「気合い」ではなく「ルール」で先に決めておくことだと思う。

休むと決めたほうが、結果的に稼働が安定した
意外だったのは、「繁忙期は最小限」と割り切ってから、トータルの稼働が安定したことだ。無理をして倒れ込む月が減り、翌月にきちんと巻き返せる。以前、作業時間を1ヶ月記録した時にも感じたが、時間は「ある」のではなく「使える分だけ確保する」ものなのだろう。
案件がまったく来ない時期の対処は依頼が19日間ゼロだった時の話に書いた。そもそもスキルの選び方で悩んでいる人は、時給が6倍になるまでの記録も参考になるかもしれない。
連絡文は、長くなくていい
実際に送っている文面は、驚くほど短い。「来週から本業の都合で、返信が夜になります。納品は予定の2日後でも問題ないでしょうか。それまでに構成案だけ先にお送りします」。この程度だ。ポイントは、謝罪を重ねるよりも「代わりに何を出せるか」を添えること。構成案や途中経過を先に渡すだけで、相手の不安はかなり減る。
もう一つ、忙しい時期に入る前の週は、あえて納期を前倒しして1本多く終わらせている。これは気合いの話ではなく、単に「あとで楽になる方を選ぶ」というだけのことだ。余裕のある週に貯金しておくと、繁忙期に入っても気持ちが追い詰められにくい。
よくある質問
Q. 本業が忙しいと、副業は完全に休むべきですか?
A. 私は完全には休まず、継続案件だけ残しています。ただし、勤務先の副業規定や体調によって最適解は変わります。無理のない範囲で判断してください。
Q. 遅れそうな時、何と伝えればいいですか?
A. 「いつまでにどこまで出せるか」をセットで伝えると、相手も調整しやすいようです。
副業は、続けた人が残る世界だと思っている。だからこそ、止まる日を先に決めておく。この地味な工夫が、私にはいちばん効いた。
