サブビジネス研究所

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初めての請求書で源泉徴収を知らず、入金が5,435円少なかった話

電卓と書類が置かれた机の上の様子

請求書の金額は50,000円。通帳に入っていたのは44,565円だった。5,435円の差額を見たとき、私は先方が振込を間違えたのだと本気で思った。

副業を始めて1年ちょっと、直接契約の初案件でのことだ。クラウドワークスならシステムが勝手に計算して手取りを教えてくれる。でも直接契約には、その親切な画面がない。仲介手数料を払わずに済むと喜んでいた私は、「請求書を自分で作る」という作業の中身を、ほとんど何も知らなかったのだ。

ペンとスパイラルノートが置かれた作業机

5,435円の正体は「源泉徴収」と振込手数料だった

慌てて先方の担当者さんに「金額が違うようです」とメールを送った。返ってきたのは、拍子抜けするほど落ち着いた文面だった。「源泉徴収の10.21%と、振込手数料330円を引かせていただいています。支払調書は年明けにお送りしますね」。

つまり、消えたわけではない。5万円の10.21%で5,105円が、所得税と復興特別所得税の前払いとして先方から国に納められていた。そこに振込手数料の330円が加わって、合計5,435円。内訳を表にするとこうなる。

項目金額
請求額(税抜の報酬)50,000円
源泉徴収税額(10.21%)−5,105円
振込手数料(先方負担ではなく差引)−330円
実際の入金額44,565円

恥ずかしい話、メールを送る前の30分間、私は「詐欺かもしれない」とまで考えていた。冷静になれば、先方は半年前から別の外注さんとも取引している会社だった。知らなかったのは私だけで、向こうにとっては毎月の当たり前の処理にすぎない。この温度差こそが、副業を始めたばかりの人が一番やられるところだと思う。

ただし、これは報酬の種類や支払う側によって変わる。原稿料やデザイン料などが対象になりやすい一方、支払う側が個人で事業者ではない場合などは引かれないこともある。私の場合は法人のクライアントだったので引かれた、というのが正確なところだ。細かい判断は国税庁のサイトか税理士さんに確認してほしい。

次の請求書から、私が必ず書くようにした3つのこと

一つ目は、請求額の下に「源泉徴収税額」と「差引支払額」の欄を作ること。先方も私も、同じ数字を見ながら話せるようになる。二つ目は、振込手数料をどちらが負担するかを請求書に一行で書くこと。330円は小さいが、毎月だと年に4,000円ほどになるので馬鹿にならない。三つ目は、支払期日を「納品月の翌月末」のように具体的な日付で書くことだ。

報酬が未払いになったときにも痛感したが、お金の話は「言いにくい」より「書いておく」ほうがずっと安全だと思う。口約束で残るものは、数字が違った瞬間に不信感として残ってしまう。

電卓を使って金額を計算する手元

よくある疑問:引かれた5,105円は戻ってくるの?

私が調べて理解した範囲では、引かれた源泉徴収税額は確定申告で、その年の所得税から差し引かれる(精算される)。副業の所得が小さい年は、納めすぎた分が還付されることもあるらしい。ただ、これは年間の所得全体で決まる話なので、「必ず戻る」とは言えない。支払調書や源泉徴収票を保管しておき、申告のときに数字を合わせる、というのが現実的な流れだと思っている。

Xの発信から直接契約の依頼が来た人ほど、この「請求書の作法」を最初につまずきやすいはずだ。私のように「入金が減った!」と焦る前に、1回だけ請求書のひな形を作っておくといい。受け取る金額を自分で計算できるようになると、見積もりの出し方まで変わってくる。

最初の5,435円は痛い勉強代に見えたけれど、あの日があったから、今は請求書を送る前に手取りを逆算するクセがついた。税金まわりは年によってルールも変わるので、迷ったら自治体や税務署の無料相談も使ってみてほしい。